大和大路通から四条通、八坂神社を左に曲がり東大路通。白川一本橋をわざわざ自転車で渡り、華頂道。この一帯は、京都サスペンスドラマでおなじみの光景。知恩院黒門をくぐるとすぐ左にある、松宿院。門柵が閉じられているが、門柵ごしに役僧の方に声をかけると、潜戸を開けて境内に迎え入れてくださる。門の正面に「松風天満宮」の神額を掲げた鳥居。御神牛、「天満宮」の御神燈、そして、狛犬。浄土宗総本山・知恩院の塔頭でありながら、境内はほぼ神社。明治の神道分離政策後も神仏習合が色濃く残る。寛永十年(1633)の火災で知恩院の大半が焼失した後、再興の旗頭となった第三十二世・松風霊巖大僧正(雄譽霊巌)が知恩院再建を祈願した天神尊像を祀っただけに、政策に従うまま廃院、あるいは神社となることはいずれも難しい判断だったと想像できる。
黄色い陶器製の狛犬は、狛犬の魅力にはまり、『全国神社名鑑』に記載されている京都府内2,103社全ての神社を調査した小寺慶昭氏が、著書『京都狛犬巡り』のなかで「京都で一番恐ろしい面構え」と評したもの。
由緒
寛永の頃、総本山知恩院が中興された折り、知恩院の松風大僧正が、歌人・西行法師が感得した天神尊像を大伽藍に安置祈願した。その後、この地に尊像を移し学問・技芸の向上・家門繁栄・諸縁円満・所願成就の社として「松風天満宮・松宿院」と呼ばれるようになった。
祠正面右側に、善光寺別院・得浄明院から預かっている、久邇宮家の天神像を合祀している。
(門前掲示より)











所在地:京都府京都市東山区新橋通大和大路東入三丁目林下町406
外部リソース
- 総本山知恩院(松宿院や松風天満宮に関する記載はない)