#170. 天満宮(大将軍神社境内)

知恩院黒門から東大路通を北進、三条通の手前の路地を西に入って突き当たると大将軍神社。6月の菅公巡拝では、大将軍八神社を参拝したが、どちらの神社も、桓武天皇が平安京造営の際、大内裏鎮護のため都の四方に祭祀した大将軍神社。異説はあるものの、東にこの東三条大将軍神社、西が上京区の大将軍八神社、北は北区の今宮神社境内にある西賀茂大将軍神社、南には伏見区の藤森神社境内にある大将軍社として現在も残る。
樹齢800年を超えるイチョウの木を始め、境内は鬱蒼としていて、ここが京都の街中であることを忘れさせ、『平安物語』に描かれた鵺の森の場所であった名残を感じさせる。天満宮は、東三条殿跡を示す「東三条社」の石碑とともにあるが、この天満宮が東三条社と呼ばれているかは定かではない。周囲の樹々が末社を大きく感じさせ、御神牛も奉納されている。イチョウの樹はまだ青いが、あの臭いが境内に漂っている。

由緒

大将軍神社

素盞嗚尊を主神とし、相殿に関白藤原兼家を祀る。
桓武天皇が平安京を造営した際、大内裏鎮護のため、四方四隅に祀られた大将軍神社のうち、東南隅の一つである。
特に平安京東のこの地は、三条口の要地にあたり邪霊の侵入を防ぐ意を以て重要視されてきた。
このあたりに建てられた藤原兼家邸は、応仁の乱で廃壊したが、境内に東三條社として名跡を留めている。又。樹齢八〇〇年と伝える銀杏の大樹があり、かっては鵺の森とも呼ばれ、源頼政の鵺退治の伝説を偲ばせる。
(京都市による境内駒札より)

天満宮(東三条社)

詳細不明。境内に星梅紋を付した東三条殿社の社号標は、藤原家が東三条殿を営んだ旧跡であることも示している。

所在地:京都府京都市東山区三条大橋東三丁目下る長光町640