#49. 松島神社

富岡八幡宮から首都高深川線下の道を通り水天宮を横目に、ビルの中に建つ松島神社に。ビルの「谷間」ではなく、ビルの「中」にある神社というのは初めて。ガラスの向こうにあって部屋の中に社がある。鳥居の御神灯には、左側に松島神社、右側に大鳥神社の社号。別称ではない社号名が二つというのもまた珍しい。御朱印は「松島神社」の書。後で調べたところ、「人形町お酉さま」とも呼ばれる松島神社は、毎年11月酉の日に酉の市が開かれ、11月の間は大鳥神社としての御朱印がいただけるとのこと。

祭神

稲荷大神、伊邪那岐大神、天照大神、手置帆負神、彦狭知神、淡島大神、八幡大神、猿田彦神、琴平大神、天日鷲神、大宮能売神、大国主神とともに菅原道真公を本殿に祀る。

由緒

鎌倉時代の元亭(一三二一)以前、この辺りが入り海であった頃小島があり諸神を勧請し、夜毎揚げる燈火を目標に舟人が航海の安産を得たと伝えられる。島内松樹鬱蒼たるにより人々松島稲荷大明神と唱え、正徳三年(一七一三)新町が開設される時に社号に因んで町名を松島町と称した。当時近辺を埋め立て武家屋敷を造営するために、日本各地から技をもつ人々が集められてそのまま住まいを構え、町の中心に位置した松島稲荷に、それぞれの故郷の神々の合祀を頼んだために他社に比べ御祭神が十四柱と多い。
明治七年四月二日松島稲荷神社の名称を以って村社に列格される。
大正五年六月十日松島神社と改称。
昭和八年二月一日都市計画法の実施に伴い蛎殻町四丁目に改称せられ、その為松島町は消滅する。(境内掲示より)

所在地:東京都中央区日本橋人形町2-15-2松島ビル