#64. 天満社(晴明神社境内)

霊光殿天満宮の後は、元誓願寺通を走り、晴明神社。夢枕獏の小説『陰陽師』を原作にした野村萬斎主演の映画、稲垣吾郎や市川染五郎主演のテレビドラマ、岡野玲子作画の漫画、そして映画のサウンドトラックを使った羽生結弦のフリースケーティングプログラムなどの影響か、安倍晴明を祀るこの神社は、若い参拝客で賑わう京都の観光地。映画やテレビドラマ、漫画を通して現代に翻訳されていることとともに、晴明桔梗紋と呼ばれる五芒星の神紋も若い人には受け入れやすいのかも知れない。
安倍晴明が活躍した9世紀後半は、菅原道真の薨去後半世紀が過ぎていたとはいえ、鎮霊に国家が奔走した時代。晴明も鎮霊に関っていた。この神社は晴明の旧宅に建つが、邸内社に菅公を祀って、対話していたのかもしれない。天満社が境内に鎮座する由緒は不明なるも、こんな由来を妄想しながら境内を後にする。

由緒

晴明神社

安倍晴明公は孝元帝の御後胤で幼児より御聡明で陰陽の道を極められ長じて陰陽寮天文博士として朱雀、村上、冷泉、円融、花山、一条の六代の天皇に仕え幾多の御功績をたてられた 朝廷の祭政 生活の基範を陰陽の理を以て定められ今日の我々の年中行事 占法等々に多くの影響を与えられている一条帝の御代 寛弘二年(一〇〇五年)九月二十六日御年八十五にてお亡くなりになると帝の御鎮霊の勅旨をもって晴明公邸趾に寛弘四年(一〇〇七年)に神社としてまつられ現在に至る(境内掲示)

安倍清明社(あべのせいめいのやしろ) は一条の西、葭屋町にあり。祭る所は清明が霊神なり。古はこの地清明が居館なりとぞ。(『都名所図会』)

天満社

齋稲荷社(いつきいなりしゃ)と天満社と地主社の三社合祀の末社。天満社の由緒は不明。

所在地:京都府京都市上京区晴明町 堀川通一条上ル晴明町806

外部リソース